「上棟」の意味って結局……?地方によっても変わる「上棟」の定義とは
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住宅を建てるにあたり、「上棟式」を行うところがありますよね。この「上棟」とはいったいどんなことを指すのか、どうして上棟式を行うのかという点について、意外と知らない人も多いようです。
さらに「棟上げ」や「建前」などという言葉もあったりして、それらの違いにも曖昧な部分が大きいと思います。
これから住宅を建てる人に向けて、こちらでは「上棟」の意味や上棟におけるマナーなど、知っておくと便利な情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
上棟とは
「上棟」の意味
上棟の意味は地域や大工、工務店などによってその認識に違いがあるようです。一般的には建築物を建てるにあたり、柱や梁などを組み立ててから、屋根の一番上にある梁を取り付けるところまでを指すといわれています。
また、上棟のことを、「棟上げ」や「建前」、「建方」などと呼ぶこともあるのだとか。いろいろな呼び方があるので、これらの違いについて気になるという人も多いようですが、基本的にはどれも大きな違いはないと考えてよいでしょう。
地方や地域でゆらぐ「上棟」の意味
「上棟式」はどうして行うの?
上棟式は、無事建前が完了したことを喜ぶお祝いの儀式で、建ててくれた職人さんに感謝の気持ちをもってもてなすための式だといわれています。
上棟式の流れには地域色が色濃く出るようですが、一般的には棟梁が棟木に弊束を立てて破魔矢を飾り、建物に酒と塩、お米などをまいて、お清めをしてから上棟の儀を執り行います。
地域ごとに意味合いが異なる
一般的に、上棟は棟木が上がることという認識ですが、九州地方など雨が多かったり、天候が変わりやすい地域では、きちんと屋根ができるまでを上棟としているところもあるそうです。
関西地方でも、上棟は屋根を張るまでとしているところが多いようなので、上棟式を行う時期も地域によって異なるかもしれません。上棟についてこだわりがないのであれば、地域の慣習に合わせるのが望ましいでしょう。
上棟日はいつになるの?
上棟式を行うのはいつ?
上棟に対する認識が地方によって異なるので、上棟式を行う日についても違いがありますが、棟木を上げた日を上棟日とする場合は、上棟式はその日の夕方に行うのが一般的です。
職人さんをねぎらうために行われる上棟式ですが、一度仕事を終えてから上棟式のためにもう一度職人さんが集まるということは少ないと思われます。
自分たちや職人さんの負担が少ないように、その日の仕事を終えてからそのまま上棟式に入るのが望ましいでしょう。
棟梁にも上棟式を行う日を伝えておけば、それに合わせて人数を集め、上棟を行なってくれます。
建築吉日とは
地鎮祭や上棟などは、建築物を建てる上での節目となる日ですが、こうした建築行事を行う日については、六曜や十二直を見て決めることが多いです。
六曜の中で建築吉日とされているのは、大安をはじめ友引、先勝、先負。十二直では建、満、平、定、成、開が建築吉日だといわれています。
逆に、建築行事を行う上で避けたほうがよい日があります。それは「三隣亡」という日で、この日に建築行事を行うと、向こう3軒まで災いが起こるといわれているのです。
このため、建築行事を行う際は三隣亡は必ず避けることが望ましく、職人さんも理解している人が多いと思います。大安であっても三隣亡が重なる日がありますので、上棟式を行う際には注意が必要と言えるでしょう。
おわりに
上棟については地域によって認識の違いがあったり、上棟式においてもそれぞれの地域で執り行い方が異なるようです。
上棟式には費用がかかるので、最近はやらないという家庭も多いようですが、職人さんをねぎらう意味合いや、完成まで協力し合い、無事に住宅を完成させようという意味も込められているため、行ったほうが好ましいと言えるのではないでしょうか。
わからない点は職人さんやハウスメーカーに尋ねれば教えてもらえると思いますので、これから住宅を建築する予定がある人は、ぜひ地域に合わせた上棟式を行なってみませんか。